昔、琉球王国時代、役人が国王の命として人々を一人残さず
強制移住させる「道切りの法」という制度があった。
当時、黒島(黒島島)宮里村のカニムイ(男)とマーペー(女)は
恋仲であったが、道切りの法により享保七年(1732年)に
建立された新村、野底村へマーペーは強制移住させられた。
毎日、カニムイの事を想い、泣きもだえていたマーペーは
近くの高い山に登って、ふるさとである黒島を見ようとしていたが
オモト山が立ちはだかり何も見えなかった。
幾日もなげき悲しんだマーペーは頂上で祈る姿で石となった。
その後、人々はマーペーをあわれみ、この山を
野底マーペーと呼ぶようになった...
野底岳の頂上に構える石 |